「ハァッ!ハァッ!…」
広い部屋、昨日まではただのリビング。今は精液と血液の匂いがむせかえる中、腰を振る獣のいる…
地獄…。
「ハァッ!ハッ…!…クッ!!」
先程まで必死に腰を振っていた男の動きが止まる。
身体をビクビクと痙攣させ、荒い息をあげる。
『ゴポッ…』
引き抜かれた穴から音とともに精液が溢れてきた。
通常の使われ方をしていない穴は、何度も何度も吐き出される精液によって、ただの肉壷へと成り下がる。
「はー…はー…、ハハ…アルベルト様のココ、ポッカリ口を開けていらっしゃるv」
さっきまで犬の様に腰を振っていた男、イワンは、自分の精液で汚したわしをみて、満足そうに笑った。
喜々とわしの動かない身体を転がすイワン。
もう、この男が何をしても構わない。
これは、罰なのだ。わしの罪へのー…
「はーはー…、あ、アルベルト様、本当に、妖艶で、お美しい…」
男がまた荒い息をあげ、わしの身体に男性器をこすりつけてくる。
「はーはー…あ、アルベルト様、また、中に差し上げますね!下男の、汚れた精液で良ければ…何度も、何度でも!!」
『ぐぷぷ…』
また、ペニスがわしの肉壁を擦りあげる。
「あぁ…アルベルト様の中、本当に気持ちいいですよ…!
これでは浮気なされたのも納得だ。この身体から抜け出せない…」
浮気…。
ほんの、些細なことから始まった、わしらの関係。
寂しさから拒めなかった関係。暖かさから、逃げられなかった関係。
ぬるま湯の、泥沼。
奴も、この身体から抜け出せなくなっただけだったのだろうか…
荒い息をあげる雄の横で、脳裏に浮かぶのはあの能天気な顔。
あいつは…どうして…
「ハッハッ…アルベルト様、私、ずっと、あなた様をお慕いいたしておりました。
ずっと、そう、セルバンテス様が貴方様にお声をかけたあの時から…」
「ずっと…こうしたいと思っておりました。わ、私のような者が、汚して差し上げたいと!!」
男が何か喚いている。しかしわしの頭の中は奴のことでー…
「アルベルト様!これからは私が、たくさん、たくさん犯して差し上げますからね!!貴方が浮気する必要もなくなるほど、たっぷりと、犯して、あぁっ!アルベルト様!!中に!!中に出しますから!!私の子を孕んでください!!きっと、きっとアルベルト様ににてお美しく育つでしょう!そしたらっ…!」
「イワン」
遮られる、男の声ー。
「せ、セルバンテス様…」
「イワン、楽しむのはいいけど、少しどいてくれないか?でないと、君も毒されてしまうよ…」
中にどくどくと放つペニスを引き抜き、男がわしの上から退く。
「アル…君にギフトだよ」
ガラリと運ばれてきた、白いシーツがかかった大きな四面体。
「セルバンテス様、それは…」
バサリッ
覆っていたシーツが取られる。
中には光、煌めく色、色、色。
鉄製の檻の中で踊る様に妖しく飛ぶ蝶。
青紫色から赤紫色に変わる美しいグラデーションの翅は、暗がりで仄かに発光している。
「フランメ・シュメッタ−リング、世界でも稀少な夜光蝶の一種さ。僕が持っているのは、ほんの一部だけどね」
檻の中には百ほどの蝶。
フランメ・シュメッタ−リングは、世界に百余りしかいない超稀少種。
「この蝶はね、この美しい姿から、見た者を虜にさせるんだ。この蝶を追い求めて、身の破滅にまで墜ちる者も少なくないそうだよ」
「君、みたいだね?」
カタンッー
檻の扉が開く。
飛び零れる光。あっと言う間に部屋を埋める。
「君は、本当に、その容姿で、一体何人の男を墜としてきたんだい?」
「………。」
返事は、ない。
先程からアルベルト様は、犯され汚れた姿のまま、セルバンテス様に背を向ける形で、床にうつ伏せたまま動かない。
意識を手放してはいないだろうことは、虚ろな瞳が見開かれていることからわかる。
「アルベルト。君の、本当の姿を見せてあげるよ」
檻の横に置かれたワインボトルほどのビン。キュッと栓を抜くと、たちまち部屋に広がる、甘い香り。
しかしそれは他の匂いを許さない強過ぎる香。イワンは思わず顔を背けた。
「君に“ギフト”だよ」
たぽぽ…
ビンから零れ落ちた滴は、アルベルトの背中へと降り注ぐ。
『じゅわっ!じゅぁっ!!』
「っひっ!ぎぃっ!!」
上げられたアルベルトの声は奇しくも、悲鳴だった。
滴が当たったアルベルトの背中から煙が上がる。
皮膚が、肉が溶けているのだ。
「セルバンテス様っ…!!アルベルト様の肌がっ…!!」
「いいんだ…。アルベルトが醜くなったって、僕が愛しているから」
「そう…僕だけが…」
その時のセルバンテス様は、ただ、微笑んでいた。
しかしその顔は、怒りとか悲しみとかそんな薄っぺらな感情で言い表すことの出来ない、きっと、愛しているが故に狂気に染まってしまった表情をしていた。
私はそれがとても
恐ろしかった
ぽた…ぽた…
『じゅっ!じゅぅっ…!!』
「アガッ!!あぁ…!!」
アルベルトが痛みに身をよじる。
それでもセルバンテスの手は止まることなく、アルベルトの背中へ“ギフト”を贈り続ける。
“ギフト”は、英語では贈り物だが、ドイツ語では“毒”。
そして、
「…?蝶が…集まって…」
先ほどまで部屋をひらひらと飛んでいた蝶達が、部屋の中央、アルベルト達の周りに集まって来ている。
セルバンテスの手は、標的を外れ、床に毒を零している。
「この蝶はね、この甘い毒しか吸わないんだ。肉が焼ける、強塩酸の毒だけね」
アルベルトの背中に、蝶が降りる。
「ハァッ…ハァッ…」
アルベルト様の、焼き爛れた背中に蝶が舌を這わす。
「さぁアルベルト、魅せておくれ…君の本当の姿を」
甘い香りに誘われて群がる美しい蝶。
翅を広げれば七色に発光する蝶が魅せるは…
「これは…」

蝶が重なり合い床に描かれたのは、巨大な“翅”
アルベルトの背中に生える、巨大な蝶の翅。
もう1匹の大きな美しい蝶の姿ー…
「アハハハハ!! やっぱり…思った通りだ…。君はそうやって、うまく人間のフリをしていても、僕には分かっていたよ。逃げようったって、許さないんだから。
あぁもう…君しかいればいい。君さえいれば、こんな、こんなもの要らない!!」
ガシャンッ!
蝶は、ひしゃげた檻が当たって割れた窓から、外の光に吸い込まれる様にして、飛んでいった。
蝶の名前は、炎+蝶=フランメ+シュメッタ−リングです^^
まぁドイツ語をつなげただけです。
おぉ外国語力の無いねぎさんのなせる技ですwwwwww
この話は、元々考えて描いてあった話の途中に付け加えた話です。
ねぎさんはいつまでアルタンを苦しめたいのかと
とにかく、文章は前からできていたのに、挿絵のちょうちょ大集合を描くのがスゲー時間がかかった!!
パソコンで増殖とかそんな事はしない!!大きさとか考えて、方向とかバラバラになるように考えて、アルタンのポーズとかもスケッチに20くらい描いては直して考えて、乗っけた絵も、何回もちょうちょとか描き直して、けっこー時間掛かったおー。
まぁいい感じにかけたので喜(^ω^)♪
アルタンが痛々しいの苦手な人はゴメンナサイ(´・ω・`)
ねぎさんは大好物です(^p^)
アルベルトちょうちょが描けて満足ー(^ω^)
イワンは私の中でストーカーで変態です。主従関係も気になるけど基本暴走します。
このあとは、やっと戴宗さんが出てきます。いや、その前に戴宗さん独唱みたいな一人語りが入ると思います。
アルタンちょうちょが美しすぎて生唾飲んだ人は私と一緒にこの先も逝って(ry
お付き合い願います(^ω^)