■失楽園6 「授業参観」




「なぁ、こんな物がクズ籠に入っていたのだが…―」


そう言って樊瑞が見せた物はクシャクシャの白い紙。
そこには父母授業参観の文字と日程。日付は今日だ。

「行っては…くれないか…―? サニーも、きっと本心ではお前を―」

「用件はそれだけか。ならさっさと帰れ」

「アルベルトッ―」

バタンッ


まったく―…
最近の家の扉は、くだらない客人ばかりを通す
いっそ錠をかけたまま鍵を飲み干してしまおうか



サニーももう12か…
この家に来てから8年…
わしがあの男の物になって…8年―…









サニーはわずか4歳で母を失った

毎日目を真っ赤にして泣きじゃくるサニーを目の前に、わしは何も出来なかった
わしでさえ理解できないのだ、分かれという方が無理がある。
ただ時間だけが過ぎていった
そんな時に…お前が現れておどけた様に言う、

「おやおや、泣くのはおよしよウサギさん達。
 僕のお家で紅茶でも飲むかい?」

セルには、サニーもわしも感謝している。
決して、寂しさからお前を求めたわけではない。
それだけは言える、わしは本当にお前を…―

だがまた月は陰る。
貴様の仕事にとやかく言うつもりは無いが、いつまでわしはここに居ればいい?
わしを、いつまでココに閉じ込めておくつもりだ
わしは…貴様と一緒に居ればもうあんな思いをしないと思っていたのに―






…阿呆かわしは。
何を女々しい事を言っておるのだ
クソッ最近のわしはどうにかしている

それもコレも全部…全部あいつの所為だ


ガチャガチャッ「あれ?居ねぇのか?」

すぐ後ろのドアがやかましく鳴いた

ピンポーンピンポーン「おーい、いないのかぁ?」

噂をすればなんとやらだ

ピンポーンピンポーン「おーい、本当に居ないのかぁ?」

そのまま帰ってしまえ
もうわしはキサマになぞ振り回されないぞ


ピンポーン……… ……。



…。
行ったか…

「おっ、やっぱいるんじゃねぇか♪」

「!?ッなっ…キサマ何処から!?」
「いや、普通に2階の窓から…ていうかおっさん行くぞ」
「普通か!?…キサマの指図は受けんっ」
「何言ってんだよ、今日行かなきゃいつ行くんだよ、ホラ」グイッ
「人の話を聞け!キサッ…このまま行くのか!?」
「おぉ早くしねーと終わっちまうだろ」グイグイ
「わ…待て、カバンぐらい持たせろっ!」



走って行くという阿呆を引き止めタクシーで着いた先は私立GR学園中等部校舎

「キサマなんで…」
「当たり前だろぉ?今日は大作の晴れ舞台なんだからよ」
そうだった。こいつのガキとサニーは同じクラスだった

何故わしはついてきてしまったんだろう








■失楽園7 「授業参観(2)」












サニちゃんと大作っきゅんは12歳中学1年生だお!

なかなか孔明にたどり着けない^p^パンスト…
一旦ここで切るお!^ω^